
探索パート
●ブレイブ
各キャラクターはブレイブと呼ばれる英雄パワー的な値を1持っており、消費することで以下のどちらかの効果を発動させることが出来る。
①これから判定のために振るダイスの数を1つ増やす
②今判定のために振ったダイス1つを選んで振り直す
●状態異常
「毒」ターン終了時に1Dのダメージを受ける。任意の回復系アイテム使用で治癒
「麻痺」自分の手番で何の行動も出来ない。手番が来た時に1Dを振って4以上で治癒
「不運」この状態で振るダイス目の6は1に置き換えられる。ただし毒状態で用いるような受けるダメージを決め
るダイスの6は変化しない。任意の回復系アイテムで治癒
「呪い」これ自体には効果なし。戦闘終了時に治癒
※”呪い”に関しては呪い状態の敵のみを対象とする強力なスキルを実装するなどして特殊な戦闘を演出するためのサポートとして入れてある。
●時間制限と解放要素
このシステムで行われるセッションは、原則としてリアルタイムにおける「三時間」以内にクリアしなければならない。そうしなければ元の世界には戻れず、クリア失敗となる。また、残り時間が一時間を切ったタイミングで以下の要素が解放される。
①各キャラクターのメインクラスに設定された「解放スキル」
②GMが用いることの出来る以下の「マスタースキル」 ※二種類とも使用可
2-a. 「ジャミング」…計2度まで使用可能。プレイヤーの振ったダイス1つを振り直させる
2-b. 「バースト」…1戦闘につき一度使用可能。既に行動を終えたエネミー1体をもう一度
行動させることが出来る。
※三時間というのは主にオフラインでのセッションか、通話やボイスチャットを使用したセッションを想定して設定した値である。これに該当しない環境の場合などには必要に応じて時間に関する制限を変更しても構わない。
●回復単位
ゲーム内時間で半日ほどの冒険を描くセッションもあれば、数日に渡る冒険を描くセッションもある。それぞれの場合において「特定の時間の休息」が意味する回復の度合いは異なることが考えられる。(半日の冒険において1時間の休息はある程度大きな行動として捉えられるが、数日間の冒険において1時間の休息は微量な回復しか出来ないのが妥当だろう)
そこで、多少リアルさには欠けるが、「1回復単位」を「体力1D気力1Dの回復」として定義する。GMは休息を取る局面においてはゲームのバランスを考えつつ、例えば「この休息は2回復単位に相当するものとする」といった形でその都度進行をして欲しい。この際、2回復単位以上の回復があったキャラクターのブレイブは最大値まで回復する。
●脱出トリガー
GMはシナリオ進行の鍵となる脱出トリガーの内容について、自由なタイミングでプレイヤー達に知らせて良い。プレイヤーがそのいずれかをクリアした場合には、はっきりそうと分かる形でその旨を宣言すること。原則としてひとつの世界には3つの脱出トリガーが存在し、順番にクリアしなければならない場合も自由な順でクリアすればいい場合もある。
●消耗判定
まとまった時間探索を行う等の局面でPC達の疲労をシステム的に表現したい場合、GMは消耗判定を行わせることが出来る。これは現在行なっている探索にどのような能力が求められているか、どのような難易度の探索であるかをGMが宣言し、各PCは指定された能力値で判定を行うもので、失敗した場合には事前に告知された量の気力や体力が減少する。
・指定能力値[武勇] …壁を壊したり、物を運んだり、純粋な腕力・体力が必要な探索
・指定能力値[敏捷] …敵から逃げたり、坂を駆け上がったり、身軽さや運動能力が必要な探索
・指定能力値[開拓] …聞き込みで情報収集をしたり、機械を操作したり、冒険慣れや器用さが必要な探索
・指定能力値[魔導] …魔力を注いだり、バリアを張ったり、知恵や魔法的な力が必要な探索
(GMは複合的な能力が問われていると判断した場合、複数種の能力値についてそれぞれ判定を行わせても良い)
・難易度7, 8 …一人前の冒険者であればこなせるだろう簡単な内容
・難易度9, 10 …よく遭遇することになるだろう一般的な難易度の内容
・難易度11, 12 …熟練者でも苦戦を強いられるような難しい内容
判定が失敗したPCはGMの指示する以下のペナルティーを受けること。
・ペナルティー「体力減少」 …体力が[1D÷2] or [1D] or [2D] 減少する
・ペナルティー「気力減少」 …気力が[1D÷2] or [1D] or [2D] 減少する
(気力と体力の両方を減少させても構わない)
消耗判定を適度に困難なものにしようとする場合には、判定クリア自体は簡単だがペナルティーが大きい、ペナルティーは小さいが判定クリアが難しい、という二通りの構成が考えられる。また、GMはこの判定を「ストーリー上成功しなければ先へ進めないタスク」と設定し、何とかしてこれにクリアすることをプレイヤー達に要求してもいい。
●多段式判定
シナリオ内で何か大きな困難にぶつかった場合や時間のかかりそうな仕事を行う場合、あるいは一度の判定で済ませてしまわずしっかり描写したいが行動を逐一描くと手間がかかり過ぎる、という場合には、下に記す多段式判定を用いて成功/失敗を決定してもいい。
①GMは今回の多段式判定の目的と参加者を説明した後、取れる”行動”と達成に必要な”目標値”、許された”ラウンド数”を発表する
(行動というのは目的に対してどのようなアプローチを試みるかを分類したもので、それぞれ用いる能力値が書かれている)
②プレイヤーは順番に”行動”を選択して指定能力値で判定を行い、「能力値+2d6」を達成値としてこれまでの達成値合計に加算していく
③プレイヤー全員が行動を行う時間を1ラウンドとし、規定ラウンド終了までに達成値の合計が目標値に達せば判定成功となる
※GMは特定ラウンド経過や達成値合計が一定値に到達したタイミングで進捗や出来事を演出してもいいし、行動選択などについて制限を設けルールを細かくしてもいい
例:行方不明になった衛兵を探す 規定ラウンド3 目標値45
行動① 衛兵の目撃証言等、情報を集める(開拓)
行動② 付近を走り回り気合いで探す(武勇)
(GM演出指針:行動①での達成値合計が15を超えた段階で衛兵は村はずれの廃墟で姿が確認されていたことがわかり、以降行動②での判定値に+2のボーナスが入る)
ゲーム進行における戦闘以外の場面を探索パートと呼び、ここではそれに関係したルールを挙げていく。
●冒険準備表
ゲーム導入時の「酒場」あるいは「工房」において、様々な物や人が行き来する中でどのような存在がプレイヤー達に力を貸してくれるかを決める表。2Dで以下を振り、その効果を享受することが出来る。
▶︎2 要修理
「これは…だいぶガタが来てるなぁ」——今回使用する魔導ギアにはどうも不具合が確認されているらしい。このセッション中にGMが使うマスタースキル「ジャミング」の使用回数を2から4にする。
▶︎3 謎の人物
「あー丁度いいところに!俺だよ俺!」——見知らぬ青年に詰め寄られ、言葉巧みに大量の薬草?を渡される。アイテム「謎の草」を一人一つ手に入れる。この受け取りを拒むことは出来ず、所持できないPCは他のPCに渡すか他のアイテムを使用or投棄して受け取らなければならない。
▶︎4 怪奇
「こいつでほんとにいいのか?」——あまり普及していない特殊なモデルの魔導ギアが今回の相棒だ。このセッション中、「判定で2D以上振り、2つ以上の目が6である」とファンブルとして、「判定で2D以上振り、全ての目が1である」とクリティカルとして処理が行われる。
▶︎5 ギャンブラー
「お前もこっちの世界に来ないか?」——PC達は望むならアイテム「たからくじ(10枚セット)」を1人1つまで420Gで購入することが出来る。
▶︎6 先人
「いい、よーく聞いてね、」——今回の目的となる転移先の世界に既に行った、あるいはその世界への入り口から内部を観測した人に情報をもらって計画を練り直す。PC達はこのセッション中に2回までブレイブと同じ効果をブレイブ消費なしで使うことが出来る
▶︎7 サービス
「よかったら使ってやってよ!」——どうやら最近景気の良いここの酒場のサービスらしく、アイテム「復活草」2つを手にいれる
▶︎8 強化干渉
「カッコよく整備しといたんで!」——工房で威勢のいい新人整備士に魔導ギアの追加機能をつけてもらう。このセッション中の対戦におけるセットアップのタイミングで効果使用を宣言することで、そのラウンド中に全PCが攻撃で与えるダメージに+1D。一度のみ使用可
▶︎9 占い師
「くれぐれも不運にはお気をつけて…」——通りすがりのフードを被った人物にそう言われ、アイテム「不思議なダイス」を1つ手にいれる
▶︎10 最新技術
「テストデータ取らせてもらうね!」——工房の職人に試験中の魔導ギア強化パッチを埋め込まれる。このセッション中の任意のタイミングで効果の使用を宣言すれば、GMから次にクリアするべき脱出トリガーの内容を一度だけ教えてもらうことが出来る
▶︎11 看板娘
「今回行くところも相当危なそうって聞きました、気を付けて下さいね」——どうやらPC達の中にはこの酒場で働く女性と良好な関係を築いている者がいるようだ。アイテム「お守り」を1つ手にいれる
▶︎12 伝道者
「君たちを見ていると若い頃の自分を思い出すよ」——英雄として有名なベテランの老齢冒険者と知り合い、手ほどきを受ける。ダイスでランダムにクラスを決定し、そのクラスのPCは更に追加で1つスキルを習得することが出来る